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作成日:2024/06/01
社労士が書く!総務担当者向け 〜読むと労務管理力が向上するブログ〜 R6.6.01
ブログをご覧いただきまして
ありがとうございます。

痩せると渡辺謙さんに似ていると言われる

社労士の松本です。
よろしくお願いします。


今日のお題

『新卒(高卒)で採用した社員が
家族介護や家事を理由によく欠勤する。
解雇できるか』

※前提情報→4月1日入社で
現在は5月上旬とする



このお題は

新卒採用者についての相談例です。


総務担当者の皆様なら
どう対応されますか。


そもそも
解雇についてですが


広い意味で
解雇はできませんよと
聞くことがありますが


労災治療中社員、産休中社員などの
労基法19条の解雇制限に該当する
場合は別として


正確ではないかな〜と
思います。


解雇は会社なりに事情があって
そして会社側から行うことは可能です。
※解雇は合意して行うものではないので、、


解雇について
考えないといけないことは

解雇した後のことです。


不当解雇だから解雇を無効にしろ!と
訴えられて

敗訴したら

解雇は遡って無効になります。
※クビではなかったことになります
※遡って給料などをまとめて支払うことになります
(バックペイ)


実際は
裁判で会社が負けることが多いのは
公知の事実。


では
もし、訴えられなかったら
解雇は無効ではないことになります。


そのため、

無効になっていた可能性がある解雇が
訴えられなかったことによって
結果的に無効にならなかった※1


このパターン※1があり得ます。



本人が訴えなければ
解雇は無効にはならないと
いえます。


訴訟を受けて立つ戦略で
解雇を検討する企業さんも
無いことは無いです。


本題に戻りましょう。


この例では
よく欠勤するということなので
具体的に出勤率と欠勤率を
求めましょう。


例えば

4月の一か月間に
8日欠勤したとして

出勤しないといけない日が
20日だった場合
※出勤日数は12日

8÷20で欠勤率が40%
12÷20で出勤率が60%

になります。

この例で
それでは

欠勤だけを理由に
解雇は有効にできるか?


この欠勤により
会社がどのような損害を
受けたかに
よるところもあるでしょうけど


解雇できるほどの損害などは
よほどのことでもない限り
日常的に有るようなことではないから


個人的には

欠勤率と出勤率だけをもって
解雇が有効になるとは
思わないです。


欠勤率40%・出勤率60%
ですと

土日休みの会社の場合

一週間5日の出勤日のうち
3日は出社して2日は休んでいる
ということですよね。

そして
入社してまだ2か月目。


まだまだ、この程度では
解雇が有効とはならないかなと
感じます。

どの程度なら?
ということですが

明確な決まりはないです。


個人的には

欠勤率が50%を超えている状態
2日に1回も出勤していない状態は
必要かなと思いますが


今回の例は

欠勤理由が家族介護や家事であって

長期の連続欠勤状態ではないことから


面談と事情の把握、
支援や指導を先に尽くす必要があるので


欠勤率出勤率だけを目安に
解雇が有効になるかどうかと
いう論点はそもそも無いのかなと
思います。


それと


この例の社員が
新卒採用者であることもポイントです。


例えば
欠勤の理由が

実は嘘だったとして

学生気分が抜けきれず
仕事に対する責任感が低い
などによるものでしたら


それはそれで

お宅の会社としては
新規学卒者を採用しているのだから

そういったことは
ある程度は想定内のこと

として採用・雇用をしているんでしょう?
といわれたら


雇用した会社として
ある程度の責任がある以上
返す言葉がないかなと
思います。


要するに

解雇をする前に
先ずは指導と育成をしなさいと
いう話になりますよね。


指導についてですが


嘘をついていたのであれば


一番軽い懲戒処分である戒告(訓戒、けん責など)
に処すか


次に同じことをした場合は

戒告以上の懲戒処分を行うことを
書面で伝えて注意警告し、
通知した書面を残しておいてください。


しっかりと指導しましょう。


懲戒処分は一般的に
人事評価に影響をします。

昇給や賞与などの賃金、
昇進や昇格降格などにも影響いたします。



注意警告の場合は
その後の勤務態度や出勤状況を評価し

反省が認められるなら
人事評価に影響させないこともあるでしょう。


また
懲戒処分を行うには
就業規則などの根拠と
本人への内容の周知が必要です。



育成については

採用をする前に


新卒採用者の育成と定着の方法について
論理的で実践的な
対策を用意しておくのが良いですね。


既に職場で後輩に人気のある
歳の近い先輩を世話役にしたり
※これが合うかどうかは別、あくまでも例です


仕事を教える担当の上司を特定して決めておく
※直属の上司に対して研修を行うなども良いでしょう

などがあります。




さて欠勤についてのポイントに
話をうつします。


下記の例にあげたような


正当な権利に基づいて
休んでいる場合

欠勤にならないので
注意が必要です。


(例)

・有給休暇(通常は半年後からですが
一斉付与や入社時付与をしている会社は
入社半年未満でも有給休暇があり得る)
・介護休暇
・介護休業
・産休育休
・子の看護休暇
・母健カードなど妊産婦保護による休業など


この例では


家族介護と家事を理由に欠勤しているので

有給休暇※はもちろんですが
※半年後に付与が一般的ですが
入社半年未満でも
一斉付与や入社時付与などで
有給休暇を使用できる場合がある


介護休暇の場合も
法的に正当理由が認められるため
欠勤にはならないし
※無給とするのは可能
※欠勤ではなく介護休暇とする


事情次第では

法に基づき
介護休業を取得することも
可能な場合もありますから


解雇を検討する問題ではない
ということになります。


それと

気になるのは


この新卒採用者は
高卒ですが


家族介護や家事を理由として
休んでいますので


ヤングケアラーだったのではないか

現在もヤングケアラーだった状況に
変化はないのではないか


という検討も必要でしょう。


ヤングケアラーに対しては
国は支援をうちだしていますし


ヤングケアラーに限らず
家族介護をしながら働く社員については


家族介護と仕事の両立を支援するために

労働基準法や介護休業法により
企業には一定の義務が課されています。


というようなところは
おさえておきながら


しかし

企業としては


本人の
ワークライフバランス
良好に保つ必要性があることから


今後の正社員としての働き方が

本人に
過度の負担を与えないかなど

ワークライフバランスや
安全衛生管理の視点から検討し


本人と話し合い

雇用契約の内容の変更なども
行う必要があるでしょう。


『まとめ』

新卒で採用した社員が
家族介護や家事を理由によく欠勤する


このような場合は


@欠勤の理由を調査特定し
A家族介護が欠勤の理由であるなら
労働基準法や介護休業法などに留意し
B安全衛生管理、仕事と介護の両立支援
の立場から今後の働き方を検討し
C必要であれば本人と合意の上で
働き方を適時変更する(自己都合退職を含む)

ということになります。