ハイ、皆さん、こんばんは。社労士事務所ネクストシーズン松本です。令和5年度業務改善助成金について前回に引き続き書いていきたいと思います。
ただいま、令和5年9月4日でございますが、今年度の業務改善助成金が8月31日付で以下の拡充がされております。拡充されたばかりです。かなりの要件緩和になっておりますのでこれから申請される中小企業様には朗報です。
拡充(以下改正といいます)された点は以下の3点です。
@対象となる企業の拡大A今年の4月以降に引き上げた賃金分も遡って有効にB助成率がアップ⤴
『@対象となる企業の拡大について』
改正前までは、事業場内最低賃金(簡単にいいますと会社で1番低い時給額です、月給者のみの場合は時給換算額)が地域別最低賃金額より31円以上(円未満は切り上げ、30.1円でしたら31円と考えます)高い場合は、業務改善助成金の対象外でした。
ですが今回の改正により、事業場内最低賃金が地域別最低賃金の50円以内ですと対象になることになりました。
例えば、現在の大阪府の最低賃金が1023円(来月10月1日に1064円になる予定!)ですので、改正前は事業場内最低賃金が1054円(地域別最低賃金より31円以上高いため)の場合は対象外でしたが、改正後の現在では地域別最低賃金と比べて50円以内に収まりますので対象になります。
また10月になると全国の地域別最低賃金は加重平均で43円引きあがります。例えば大阪の最低賃金は、10月1日に1064円になる予定ですので、10月1日には事業場内最低賃金が1114円以下の中小企業でも対象になるということになります。
『A今年の4月以降に引き上げた賃金分も遡って有効に』
事業場規模が49人以下の事業場のみ、今年の4月からの賃金引上げ(例えば時給を既に5月に上げたなど)について、遡って賃金を引き上げたこととしてくれるようになりました。
改正前までは過去(今年の4月以降)に引上げた時給額について、遡って有効とはしてもらえなかったので大きな改正と言えます。
が、来月10月には全国的に地域別最低賃金が39円から47円の範囲で引きあがる予定ですから、この9月中に交付申請(設備投資などの計画の届出)をする場合には改正の恩恵を受けられるという中小企業様もいらっしゃることでしょう。
例えば大阪の30人規模の製造工場で、今年の5月に30円の時給引上げを行い、事業場内最低賃金が現在1053円になっている場合、今月中に交付申請(設備投資などの計画の届出)を行いますと助成金の対象になりますが、
来月1日以降に交付申請をする場合は、大阪府の最低賃金が1064円になっている予定ですから、1094円以上(30円以上引上げることが要件)に再度の時給アップ(賃金引上)が必要になり、5月の引上げ分を活用することができなくなります。
『B助成率がアップ⤴』
助成率の改正内容は下記の通りです。例えば、、関西圏ですと、改正前は奈良県(896円)と和歌山県(889円)の地域別最低賃金が870円以上920円未満に分類されていたので、助成率が80%(生産性要件90%)になる中小企業様があったことでしょう。
そういった中小企業様は改正後は900円未満に分類されますので生産性要件を満たさずとも助成率が90%になります。(生産性要件は直近年度と3年度前の決算内容を比較して労働生産性の向上が一定以上認められる場合に適用される)
予定では、10月1日に奈良県は936円、和歌山県は929円に地域別最低賃金が引き上げられますので、その時には助成率は900円以上950円未満の分類になるということになります。
(改正前)
事業場内最低賃金額 |
助成率 |
870円未満 |
90% |
870円以上920円未満 |
80%(生産性要件90%) |
920円以上 |
75%(生産性要件80%) |
(改正後)
事業場内最低賃金額 |
助成率 |
900円未満 |
90% |
900円以上950円未満 |
80%(生産性要件90%) |
950円以上 |
75%(生産性要件80%) |
ご覧いただいてありがとうございました。
それでは次回をご期待ください。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ…