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作成日:2022/09/23
中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金特例コース)について No.1



 今月1日から申請が受け付けられている、通称、業務改善助成金特例コースについて説明します。私、現在ダイエット中、瘦せると渡辺謙に似ていると言われる、大阪は谷町四丁目の社労士事務所ネクストシーズンの松本と申します。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 昨日、飲食店経営企業の社長さんの依頼で、業務改善助成金特例コースの詳細な説明に行ってきました。説明を始めて5分程で、『ややこしい〜!先生、申請やめときます!』との事で説明終了でしたw

 いや、そもそも説明に伺う前に、私は言ったんですよ。ネットでは良い事(煽り)しか書いていない(※こちらの社長はネットで業務改善助成金特例コースを知った)けど、この業務改善助成金というのは、どこの会社も結局は申請を断念する事が多くて、社長が思ってるような助成金ではないよ!って。

 業務改善助成金の要件の何がややこしいって、賃上げの要件なんですよ。

 通常一般的に賃上げと言えば、そう、今皆さんが思った通りですが、その皆さんが思う賃上げでは、業務改善助成金の賃上げ要件は満たさないんです。

 例えば、皆さんの会社・お店・工場など業種は何でも良いですが、従業員が全員で3人いるとして。下記のような時給の内容とします。大阪府下の事業所という設定にしましょう。

 (表1)

Aさん 時給992円
Bさん 時給950円
Cさん 時給1000円
 

 
 そして、Aさんの時給を1030円に上げたとします。表にするとこうなります。

(表2)

Aさん 時給1030円
Bさん 時給950円
Cさん 時給1000円


 業務改善助成金の賃上げ要件として普通に耳に入ってくる情報は、30円以上賃金を引き上げるという事ですから、そうするとどうでしょうか。Aさんの時給を30円以上引き上げていますから、助成金をもらえそうに思いませんか?  

 しかしこれでは助成金はもらえないんです。

 この表2の例の何がダメなのか。2点あります。

 ダメな1点目⇒BさんとCさんがAさんより時給が低い。

 POINT業務改善助成金の賃上げとは、従業員の誰かの(この例ではAさん)時給を30円以上引き上げた事だけでは足りない!


【業務改善助成金の賃上げ】
 業務改善助成金の賃上げとは、事業場内の一番低い時給を底上げすることを指す。


 この事については後で詳しく説明します。


 続いて先に表2の例でダメな点の2点目をフィードバックします。

 ダメな2点目⇒Bさんの時給が大阪府の地域別最低賃金を下回っている。

POINT
最低賃金を下回っている従業員が他にいると助成金はうけられない

 日給制や月給制又は歩合給制の従業員でも、時給換算して最低賃金を下回っているかどうかの確認が必要。見られるとまずい他の従業員を隠して申請すると不正受給になる。


 それでは、下記⤵の続きを説明します。
 
 【業務改善助成金の賃上げ】
 業務改善助成金の賃上げとは、事業場内の一番低い時給を底上げすることを指す。


 この事についてはこちらの例(表3)をご覧ください。今回も大阪府下の事業所で、従業員は全員で6人の設定です。
 
(表3)

Aさん 時給992円 Dさん 時給1000円
Bさん 時給992円 Eさん 時給1020円
Cさん 時給992円 Fさん 時給1100円


この例で、業務改善助成金の賃上げ要件を満たす例としては下記(表4)の賃上げになります。


(表4)業務改善助成金の賃上げ要件を満たす例

Aさん 時給1022円 Dさん 時給1022円
Bさん 時給1022円 Eさん 時給1022円
Cさん 時給1022円 Fさん 時給1100円


 この(表4)の例は、元々一番低い時給だった992円(表3)30円以上引き上げていて、かつ、引きあがった従業員より時給が低い従業員が存在しません

 
 特定の人だけではなく事業所に所属する全従業員の時給が底上げになる=事業場内最低賃金の引き上げという事になります。

 業務改善助成金の要件を満たす賃上げについての説明は以上です。


 どうでしょうか。話がだんだんややこしくなってきて、思っていた内容と違うと感じてきませんか?

 これが業務改善助成金の賃上げ要件がややこしいといった理由です。


 今回は従業員が全員で6人の例でしたが、私が昨日説明に伺った飲食店経営企業さんは、正社員アルバイト含め全員で常時50人程度は日々勤務している飲食店です。

 社長さんが、『ややこしい〜!先生、申請やめときます!』と判断されるのも致し方ありませんね。


 業務改善助成金は昔からありますが、今までも、それから通常コースも、それから今回説明した特例コースも、全体の従業員数が少ないお店や会社ほど利用しやすい助成金です。

このブログの続き⤵
https://www.n-season.jp/announce_61193.html


追伸 
来週頃に、業務改善助成金の特例コースの説明動画を、YouTube松本季一郎の労務問題解決チャンネルの方へ公開する予定です。

 厚生労働省労働基準局賃金課が作成公表しております『中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金特例コース)』の申請マニュアルに基づいた動画内容となっております。皆様の参考になれば幸甚です。



おしまい


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