こんにちは。社労士事務所ネクストシーズンの松本でございます。中小企業経営者様や労務や人事のご担当様向けに所長ブログを再開いたしました。
是非リラックスしてご覧いただきまして企業内の労務や人事の円満解決の参考になれば幸いです。
こちらのブログをご覧いただいてお気に入られましたら弊所の連絡先等お控えいただきまして何かの折にはお気軽にご相談くださいませ。その際は顧問契約を念頭にご相談ください。どうぞよろしくお願いいたします。
また従業員様個人の方へお願いがございまして、たまに職場のお悩みについてご相談をいただく事がございますが、弊社は企業様との契約を前提として事業上の労務管理について指導やアドバイスを行う業務ですので、何卒ご理解を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
という事で今回は上記のタイトルで書き進めていきたいと思いますが、皆様の会社内で降格という人事を行わなければいけない際は、担当者様・責任者様におかれましては頭を悩ます事が多いのではないでしょうか。
降格と一口に言っても会社によって色んなケースがあると思いますが、例えば代表者様や責任者様が自ら降格を決めて自ら降格人事を行う場合も有れば、指示として上から担当部署へ命じられる場合もあるでしょう。
代表者様や責任者様が自ら降格を行う場合も、担当者として責任を負い降格を行う場合も、中小企業においては降格に至る経緯や対象社員の特徴、会社の組織風土、指揮命令系統等々が企業毎に多種多様ですから、
そういった事情を十二分に汲むことなく一般的な教科書通りに降格人事を行ってよいのだろうか、どのように行えばよいのだろうか、リスクはどのような事が考えられるのだろうかと、頭を悩ますのが降格人事の問題でしょう。
そこで降格人事について頭を悩ませない為のポイントを3つご紹介させていただきます。
『降格人事のポイントその@』
降格対象となる社員目線(当事者目線)で考える。
降格人事では降格と判断される原因理由がある事が前提でしょう。さすがに何も理由が無いのに降格を行うまともな会社は無いはずです。
ですが降格人事の原因理由はちゃんとあったとしても、その原因理由は降格を判断した方の言い分である事が殆どです。ですので頭を悩ませるわけです。
最終的に降格人事を行うにしても、一旦その事は棚に上げておいて、先ずは降格対象となる社員目線で降格原因理由について検討する事をお勧めいたします。
そうすることで見えて無かった物事が見えることがあり、そもそも頭を悩ませていたことが無くなる事があります。
もしあなた自身が降格人事を決めた方と降格対象社員との間に位置しておられるなら、降格人事を決めた方の目線と降格対象者の目線の両方で見て事態を十分に理解し把握する必要があります。
それは担当責任者の職責といえるでしょう。
ここでいう目線というのはぞれぞれの立場での考えや意図、利害という意味です。
もし降格人事で頭を悩ませているのに、相手目線(当事者全員目線)で見ても特に発見は無いようでしたら、そういうときの為の弊社ですのでその際はご相談くださいまし。
まとめますと、相手の立場から物事を見る事が労務人事の円満運用には欠かせません。
『降格人事のポイントそのA』
降格人事のシミュレーションを行う。
降格人事を実際に行うその前に、行ったらどのような事態になるかのシミュレーションをしましょう。
難しく考える事はありません。降格人事をどのように対象社員に伝えるか、伝えた場合どのような反応をするかなどです。
反応にも色々あります。拒絶、抵抗、対抗、理解、納得、生産性上昇又は低下 etc...。
考えられる反応に対して事前シミュレーションをしておくと、先に説明して理解を得ておくべきことだったのか、逆に先に伝えるべきでは無かったのか、言葉の使い方、何を目的に何を伝えるのかなど、
降格人事がより具体的により鮮明明確になっていきます。そうすることによって頭を悩ます事が減っていくでしょう。
『降格人事のポイントそのB』
コンプライアンスとリスクの管理検討を行う。
最後、三つ目のポイントは降格人事が法的に問題がないのか、問題があるならどこが問題なのか、考えられるリスク、当事者の損害や不利益にはどのような事が考えられるかなどについて管理検討します。
労務や人事の専門家に聞くのが一番良いでしょう。
専門家には弁護士、労働基準監督署、社会保険労務士と選択肢は複数有り、それぞれ経歴、専門性、ポジション、属性などにより、得られる回答が異なる事は当然に有ります。
担当責任者の皆様におかれましてはその辺をおさえていることが職務の範囲といえるでしょう。
労務・人事は法的に専門性が高く(超ニッチ分野です)、さらに経験を積まない事には判断や事前予測・事後対応が難しい事案が含まれます。
働く人の大半に関わる権利や法律であるのでその重さは決して軽くは無いですし、人それぞれ考え方、感じ方、行動、生活環境等々が当然に違いますので、画一的・機械的な対応がよろしく無い場合が多々あります。
それでは本日のまとめです。
『降格人事について頭を悩ませない為の考え方のポイント3選』
ポイントその@
降格対象となる社員目線(当事者目線)で考える。
ポイントそのA
降格人事のシミュレーションを行う。
ポイントそのB
コンプライアンスとリスクの管理検討を行う。
今日説明させていただきましたのは、私自身が実際に降格人事の際に検討するポイントです。
私が降格人事について重要視する事は、大きくはこの三つです。
@当事者にとって円満な手段かどうか(人事は多種多様)A人事の到達地点と過程が見えているかどうか(経験・キャリア)Bコンプライアンスに違反しないか(専門性)
こういった相談に対しては、私は法律に関する事と同等かそれ以上に、当事者の性格・風土・意図・利害、事の経緯・事実関係、など法や就業規則とは関係の無いようなことまで伺います。
こういった人事について、法律や裁判例は当然に影響しますが、それ以上に当事者の人間模様、感情、思想、ポジションなど法と関係ない事が人事の結果に影響するからです。
法律の問題にだけ目が行き(法律無視は当然よろしくありませんが)、当事者様方(会社も含みます)が人であるという事を十分に検討されていない人事が、うまくいかないのは当然と思います。
そして、教科書には載ってないかもしれませんが、万事うまく収まる円満解決型人事は、探せば又は見方を変えれば意外とあります。
降格人事の際には当事者目線で考えることは特に参考にしてみてください。会社にとってもより良い人事の発見につながるかも知れませんよ。
作成日:2022/04/25
社員の降格人事について頭を悩ませない為のポイント3選〜円満解決型人事のすすめ〜
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